2007年7月2日

理念とプロセスは改善の設計書である

■理念?
多くのビジネス書や自己啓発本を読むと、
得てしてこの言葉を目にします。
“理念を持て”
そして、企業理念の存在についても考慮するべきでしょう。
優れた企業には、コレだ!という理念が存在します。
ではいったい何故、理念をもつべきなのでしょうか?
答えは、改善です。
普通ですか…そうですか。。
ま、いいや。





■理念の一例、クレド
具体的な事例があったほうが分かりやすいので、
the Ritz Carlton Hotelのクレドから検討を行いましょう。
Ritzと言えば、サービスの教本とも言える存在でありまして、
全国全世界であらゆる顧客ランキングを総なめしている
ラグジュアリホテルです。
先日、Ritz東京のラウンジで珈琲と紅茶を頂きましたが、
それは素晴らしい体験でした。
おっと、脱線。戻ります。
Ritzのクレドといば有名なフレーズがあります。
「私達は、紳士淑女に使える紳士淑女です」
紳士淑女って何?何をすれば紳士淑女なの?
そのように考えることが、改善の一歩目なのです。





■理念の対にあるもの、プロセス
そして、理念と対にあるプロセスを忘れてはいけません。
プロセスとは、理念を実行するための一般的手順です。
プロセスは変化しても理念はブレてはいけません。
プロセスの一例としてマニュアルがあります。
マニュアルはプロセス比べより厳密である傾向があります
さてマニュアルと言えば、マニュアル遵守の悪が思い浮かびますね。
遵守の悪は、プロセス=理念とする概念そのものにあります。
マニュアルは守るたのではなく、
就労レベルの低い人間をそこそこ動ける人間にするための手順書でもなく、
本質的には、理想にたどり着くための理念とともに用いる設計図なのです。
そこそこ動けるようになる、そこそこお客様が喜ぶということは、
一つの期待できる結果にすぎません。

カスタマイズされたされたサービスで有名なRitzも、
実は厳格なプロセスが存在します。
リッツカールトン、20の秘密を参照ください。
MR.BIV(顧客の不満分子)を取り払う為の行動に取り上げられるよう、
プロセスは顧客を満足させるための重要な側面になります。






■理念を自分のものにする、読み合わせ
Ritzでは毎日、クレドの読み合わせが行われています。
そして、各個人が胸のポケットにしまい、
迷ったときはクレドを読み、行動を決定するそうです。

Ritzが語るには、秘密は全てクレドに集約されているようです。
Ritzの秘密はどこにあるの?
クレドだ。それが全てだ」[1]

そのため、多くのホテルがクレドを真似、
ホテルサービス理念を作りました。
そして…失敗しました。いや、何も起きませんでした。
理念を持つことだけでは、何も改善されないのです。







■まとめるとこういうこと
やっとこのBLOGらしくなってきた。
時間かかってごめんなさい。
上記のことなんて、もう既に知ってますよね…。
ですよね…。
では、つまり!
改善の仕組みとは!













【“so what”,“what”,“for example”のトライアングル】です。
どん



マッキンゼーっぽいですね。
マッキンゼー出身の人が書いた、
プロフェッショナル・プレゼン面白かったです。
まだ、立ち読みなので、近々購入したいと思います。
学生生活の中で、マッキンマッキンしてるねって言われたいもんです。
すげえ小さな目標でもあります。
ま、いいや。

脱線しました。戻ります。

関係の説明をしますと、
プロセスや実施サービスは理念が礎です。
また、、実施サービスやプロセスを経て、プロセスをより洗練します。
知ってるって!!???




えええーーーーーーーーーー????
そうですとも。
肝は、“理念の上”にあり!!!
そして“矢印上”にあり







■理念の上にある存在
良くも悪くも、理念は抽象的な存在になります。
だからこそ、理想を広く捉えることができます。
プロセスは具体的に人が動く指針になりますが、理念を全て表しきれない。
カバレッジが下がるわけです。
何に対してのカバレッジが下がっているのでしょうか。
それは、理念の上にある存在に対するカバレッジです。
その名も、ideal理念(今命名)。


ideal理念は、本質的な理念であり、
おそらくたぶんわれわれは
言語というものを持つ限り、思考活動をおこなう限り
とらえることのできない存在と考えられます。
ものの本によりますと、
「ものの原型として考えられる普遍の完全な存在」。(岩波国語辞典)
とあります。
我々は、言語と思考活動ではおそらく不可能であるideal理念を、
言語及び、思考活動を用いて表現しなければなりません。
このアイロニーこそが、良い理念と悪い理念を生み、
また心を奮わすほどに面白みを得るスパイスなのです。

この関係を踏まえますと、アンテナをひっくり返したようなモデルになります。
どん。





そして、抽象度とカバレッジでマッピングすると、こう
どん。



最も大切なことは、
ideal理念に対する軸に「理念」「プロセス」「実施するサービス」あることです。







■ideal理念に対する軸
今おこなっていること、これから行おうとしているサービスが、
正しいことなのか?
その妥当性を検討するのが、理念になります。
そして、理念はideal理念を追求する役割を担います。
つまり、ideal理念からぶれないことが本質です。


改善の例を見ていきましょう。

毎日の理念の読み合わせは
・理念のideal理念への追求
・理念からサービスの設計
を行っていると言えます。
上の図参照。

前述の“追及”は既に書いてあるので、
“設計”について触れましょう。
日々、理念の読み合わせを行い、
理念を理解することで、
・プロセスがある理由に対するwhy?
・そして理念からプロセスを造るSo,What?
を訓練しているのです。

つまりそれは、個々の顧客に対するアジリティを鍛えているとも言えます。



■結論:理念による改善の全体像

長かったですね…。
ありがとうございます。
理念の存在を礎に、各要素の間の
・Why
・So,what
を直感的に行えるようにすることで、
包括的な改善を行っいるのです。




例えば、
毎日の読み合わせでの理念の役割は、
日々の業務プロセスと理念をつき合わせすることで、
理念の存在意義と、プロセスの改善を行うことを促進します。
その結果、
もしかしたら、プロセスは変化するかもしれません。
理念は、より分かりやすいものになるかもしれません。






そうそう、
United Arrowsの心に響くサービスからも
同様な知見を得ることができますので、是非。
いいこと書いてあります。

どのような理念を持つことが良いことなのか、
理念を浸透させるための過程はどのようにするべきなのか、
1つの論文テーマになりそうですね。
このエントリが、課題に取り組む人のヒントになれば幸いと思います。

自分の研究が行く可能性のある1つのゴールでもあるか。
あまり、行く気はないけど…。
とても面白いテーマではあるけれど、実務経験の少ない学生が言っても、
宗教とか絵空事に思えて、リアルじゃないもんで。
ではでは。








てか、このエントリ…長!!
サンダルのvalue architectureは一体どこへ…。

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